久しぶりにPuppy Linuxを試してみた。やっぱりおもしろい。
2017/11/09 追記
ある程度、新しいマシンはTahrPupでは動かない場合もあるようです。
XenialPupやXenialDogなどが今はおすすめです。
64bit版もテスト版の位置付けですがあります。
うちのマシン(Broadwell(第5世代) Intel CPU)ではカーネルのバージョンが問題なのか、XenialPup64、Slacko64のバージョン4.9のカーネルのものは不安定でフリーズします。
バージョン4.4のSlacko64を今は使っています。
下の情報は古いですが、インストール方法としては基本的に変わりません。
少し前にも試したことは試したのですが、HDDにインストールしてブートできるまで設定したのは本当に久しぶりです。
Puppy Linuxは、非常にサイズが小さく、メモリにイメージの大部分をあらかじめ読み込むことができるために動作が軽いLinuxディストリビューションです。
CDやUSBにインストールして、PC本体にインストールせずに起動できるOSとして、他人のPCを借りたり、ネットカフェなどに自分の環境を持ち込んだりすることができます。
PCが壊れるなどした時に修復作業をするのにも重宝されています。
古いマシンを蘇らせるのに以前は良く使われていました。
現在では似たようなディストリビューションはたくさんありますね。
また、PCも高性能になって少し古いくらいならUbuntuのような大きなサイズのディストリビューションでも十分動くようになりました。
しかし、上に書いた長所は今でも変わりませんし、Frugalインストールというセーブイメージをファイルとして持ち、何かがあった時にはそれを削除するだけで初期状態に戻すことができるという管理のしやすさなど独自の機能も持っています。
Puppy Linux日本語版はちょっと滞りぎみですが、それでも去年、Precise Puppyの日本語版が出ています。
Precise PuppyはUbuntu 12.04ベースで、Ubuntuのアプリケーションを利用することができます。
また、日本語のフォーラムは今でも活発です。
sakurapup.browserloadofcoolness.com • トップページ
Ubuntu 14.04ベースのTahrPupを使うことにしました。
Precise Puppy は5系でTahrPupは6系のようです。
5系、6系などバージョンの違いは以下を参照(ただし英語)。
どんなものか事前にイメージを掴みたい方はこちらのページが参考になると思います。
色々と試されていて勉強になりました。
随分と複雑になっていてバージョンアップの方法が良くわかりませんでした。
なので、CDイメージであるisoファイルがある最後のバージョン6.0.2を使うことにしました。
追記
2017/07/08 現在の最新版は6.0.6です。
コメントにて6.0.6はテスト版の位置づけだという指摘がありました。
正式版は6.0.5となるそうです。
訂正します。
TahrPupの64bit版もあります。
またテスト段階のようですが、Ubuntu 16.04ベースのXenialPupも出ています。
Index of /puppylinux/test/xenialpup/
64bit版についてはこちらを見てください。
追記終わり
Index of /puppylinux/puppy-tahr/iso/tahrpup -6.0-CE/
ここから"tahr-6.0.2_PAE.iso"をダウンロードしました。
試してみるだけなら必要ありませんが、ビルドが必要なアプリやドライバをインストールしたいときには"devx_tahr_6.0.2.sfs"もダウンロードするとよいでしょう。
sfsファイルはこれを起動時や起動後に読み込むことでアプリや機能を追加することができるようにするものです。
HDD上のファイルシステムをファイルにまとめたものです。
これを簡単に読み込むことができるのもPuppyの機能の1つです。
必要のないときには読み込まなければ良いし、アプリがアップデートされたときにはsfsファイルを入れ替えれば良いのです。
そんな便利な機能を利用したものが上のページからダウンロードできる日本語化パックです。
最新版は"lang_pack_ja-1.9.sfs"なのでこれをダウンロードしてください。
追記
2017/07/08 現在の最新版はlang_pack_ja-2.1.sfsです。
また、新しいバージョンのPuppyでは、SFS Loadがうまく動かないらしく、バージョンアップが必要です。
sakurapup.browserloadofcoolness.com • トピック - sfs_load - SFS load/unload on-the-fly
mozcも一緒になった日本語化SFSファイルを作って公開している有志の方もいます。
ありがたく使わせてもらいましょう。
最初から日本語化されたisoファイルも数人の有志によって作られています。
Puppy Linux 日本語版フォーラムにあります。
sakurapup.browserloadofcoolness.com • フォーラム閲覧 - 6.X系
sakurapup.browserloadofcoolness.com • フォーラム閲覧 - 7.X系
それぞれクセがあるのでどれを使うかは個人の責任でどうぞ。
Puppy Linux日本語版サイトとしてのPuppyに新しいものが出ないのには、この独自の日本語版を作っている方たちの間の意見の相違があるのも理由です。
sakurapup.browserloadofcoolness.com • トピック - Puppy 6系日本語版(フォーラム版)の必要性
それぞれの日本語版同様、作者たちもクセがあるようです・・・。
仲良くして、新しいバージョンが出て欲しいと思います。
現在の日本語版サイトの意味は随分と失われていますからね。
追記終わり
isoファイルをCDやUSBメモリに書き込みます。
書き込みにはUnetbootinが便利です。
UNetbootin - Homepage and Downloads
書き込みはこれを使えば簡単ですが、UEFIという機能を使っているとUSBやCDから起動することができないと思います。
ブートモードをLegacyにするなどの設定が出来ない方は、現在では諦めるしか無いでしょう。
古いマシンであればこれはないので、ブートする順序の設定をBIOSでできさえすれば大丈夫です。
通常はUSBやCDで起動し、そこからインストールします。
今回、USBメモリが壊れたのかISOから起動できなかったので、ファイルを直接HDDに置くことにしました。
これが簡単にできるのもPuppy Linuxの魅力です。
isoファイルをインストールしたCDやUSBから、
vmlinuz
initrd.gz
puppy_tahr_6.0.2.sfs
zdrv_tahr_6.0.2.sfs
をコピーし、インストールしようと思っているHDDのバーティションのトップ以下に(例えば)tahrpupというディレクトリを作成し、そこへ貼り付けます。
アップデートする場合には、これらのファイルを新しいバージョンのものに置き換えるだけでいいのです。
慣れてしまうととても簡単ですよ。
ついでに同じ場所に先程ダウンロードした"devx_tahr_6.0.2.sfs"と"lang_pack_ja-1.9.sfs"もおいてください。
私の環境にはUbuntuをインストールしてあるので、Ubuntuを起動するGrubというブートローダーが入っています。
そこにPuppy Linuxを起動する設定を書き込んで起動することにしました。
sudo gedit /etc/grub.d/40_custom
と打ち込んで、管理者権限でファイルをエディタで開きます。
ファイルの最後に以下のような記述を追加します。
menuentry 'Tahr Puppy 6.0.2 (sda7/tahrpup)' {
set root=(hd0,7)
linux /tahrpup/vmlinuz psubdir=tahrpup pmedia=atahd
initrd /tahrpup/initrd.gz
}
sda7はパーティションの位置でこれは環境によって違います。
sda7にPuppyのファイルを置いた場合は、"set root="の次に書く内容は上のように(hd0,7)と書きます。
grubとgrub2ではパーティションの順番を示す数字が1つ違うので注意が必要です。
内蔵のHDDの場合にはほとんどの場合、hd0となります。
sda7であればその後にはカンマの後の数字は7と書きます。
UUIDを指定する方法もあるのですが、妙なエラーが出てうまくいかなかったので上の方法にしました。
USBフラッシュにインストールした場合には「pmedia=usbflash」とすれば良いと思います。
これを保存したあと、
sudo update-grub
を実行すればブートローダーが更新されます。
日本語化の手順は以下の記事がくわしいのでそちらを参考にしてください。
Tahr Puppy 5.8.0.8 を日本語化してみました : Windowsはもういらない
設定項目を一覧表示して、ボタン一つで呼び出すことができる様になっていますから一度やり方を覚えると簡単です。
Puppy Linuxは少し危険ですが基本的には常にroot権限です。
昔のWindowsみたいなもので、System領域のファイルも特別なことをしなくても編集できます。
危険ですが、非常に簡単に色々な設定を書き換えることができます。
失敗すると動かなくなることもあります。
しかし、前述の通り、セーブファイル(通常2fsファイル)を捨てて起動すれば、また初期状態に戻ります。
ある程度の設定をしたらリマスターという機能を使うとその設定状態をsfsファイルに書き込むことができるので初期状態をそれに固定することができます。
もし万が一、ウィルス等に感染した場合でも、セーブファイルを消してしまえば、最後にリマスターした状態に戻すことができるのです。
ネットカフェと同じようにいつでも初期状態で起動させることもできます。
リマスターでネット接続や日本語化などの設定をした状態で固定すれば、困ることはないことのほうが多いのではないでしょうか?
毎回、起動のたびに初期状態に戻るのですから、感染してもほとんど問題になることはありません。
Linuxはセキュリティに強いと言われていますし、その上、毎回、元に戻るならこれほど安全なマシンは無いかも知れません。
root権限なので、コマンドラインをほとんど使うこと無く、エクスプローラーのようなファイラー(ファイルマネージャー)でファイルをコピーして貼り付けたり、移動したり、リネームしたりできます。
Ubuntuベースで今はとても簡単になりましたが、以前は足りないライブラリファイルなどは、有志の人のサーバーから個別にダウンロードして、自分でコピペしていました。
気軽にトライアンドエラーを繰り返すのは楽しみでもあります。
また、最小限のファイル構成なので、後から必要なものだけ追加すると、とても軽いシステムになります。
同じアプリやソフトウェアを動かすにも、Ubuntuなどの上よりも高速に動くことのほうが多いです。
ブラウザはFirefoxやChromeなど複数の選択肢から選ぶことができます。
ただし、Chromeは32bit版が提供終了となっており、古いバージョンのものしかインストールできないでしょう。
ChromiumやChromium派生のブラウザを使うのがベターでしょう。
個人的には古いマシンでは搭載されているメモリが少ないので、メモリを大量に消費するChromeやChromiumよりもFirefoxやその派生ブラウザ(PaleMoonやLightなど)を使うほうが良いと思います。
ちなみにTahrPupでは標準のブラウザはPaleMoonになっています。
日本語入力は標準ではAnthyです。
しかし、Mozcが使えるようになったため、Mozcをインストールしても良いでしょう。
ただ、何か問題があったのかMozcのsfsが非公開になってしまったので、petパッケージでインストールしましょう。
http://sakurapup.browserloadofcoolness.com/viewtopic.php?f=25&t=3030
古いマシンでは無線LANが使えない場合があります。
その場合はndiswrapperというものを使って、Windowsのドライバを利用することで無線LANアダプタを使用可能にする方法があります。
一例ですがここが詳しいです。
Puppy LInuxは32bitなので32bit版の無線LANアダプタのドライバが必要です。
Win98やNTなど古いドライバの方が動く確率が高くなると思います。
古いマシンで無線を使える方法で一番簡単なのは、有線LANを無線LANに変換するアダプタを使うことです。
ホテルの有線LANに繋いで無線LANルータとして使えるだけでなく、PCの有線LANに繋いで無線LAN子機として使うことができます。
無線LANアダプタは相性問題が良くあり、古いマシン用のPCカード型などはカーネルモジュールに含まないよう切り捨てられている場合もあります。
有線LANを無線LANに変換するものを使うと多くの場合、相性問題なく使うことができるでしょう。
また、古い無線LANアダプタではWPA2が使えないこともあります。
無線LANアダプタが対応していてもカーネルモジュールが対応していない場合もあるようです。
その点、この変換アダプタを使うと、それらの設定はアダプタで行うのでOSは関係ありません。
便利なので1つ持っておくと良いと思います。
グラフィックボードのドライバも提供されているため、インストールすれば3Dも表示させることも可能です。
以前、使っていたときには同じ3Dを使うアプリケーションでもWindows上で動かすよりも高速でした。
Windowsのプログラムを動かすWineやMonoもPuppyの上で動かすと軽いのではないかと思います。
文字化けなどの不具合が起こると思いますが、それも先ほど書いたように手軽に書き換えたりファイルを置いたりすることができます。
しばらくUbuntuばかり使っていましたが、またPuppyで遊んでみようと思います。
上で紹介したPuppy Linux日本語版で公式にリリースされているPrecise Puppyも元になったUbuntu 12.04が2017年4月までサポートされています。
簡単に日本語化されたPuppyを使いたい場合はそちらを使っても良いと思います。
くわしいインストール方法はこちらに書いてありますので参考にしてください。
Puppy Linuxをインストールするときには、HDDにインストールするよりもSDカードやUSBメモリにインストールするほうが安全で、PC本体のHDDのデータが壊れた時にも対応しやすく、外出先のPCでも同じ環境で作業できるのでおすすめです。
実はスクリーンショットの画面はモニタやGPUの性能に比べて解像度が低いものでした。
同じ症状になった人はこちらを参考にしてください。
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