Ubuntu17.10ベースのPuppy LinuxであるArtfulPupを試してみる
Puppy Linux Discussion Forum :: View topic - ArtfulPup
16.04ベースのXenialPup64がうちのマシンでは動かなかった。
そこでSlacko64を試してみた。
Slacko64にはカーネルバージョンの異なるイメージが3つあり、XenialPup64と同じ、ver. 4.9のものはやっぱり動かなかった。
4.4のものは動いたので、カーネルに原因があるのでは?と考えている。
今回、試してみるArtfulPupもカーネルが4.9.59なので、動かないのではないかな・・・と思う。
Index of /puppylinux/puppy-artful/
他のPuppyはほとんどがdistro.ibiblio.orgに本体があるのだが、このArtfulPupはHTMLファイルが置いてあり、リンクを開くとSourceForgeへ飛ばされる仕組みになっている。
今、ダウンロードしていて、これからインストールするのだが、そのとき調べてみて気になったのは以下の記事。
2017年9月28日 Ubuntu,Artful Aardvarkで32ビット版サポートを中止へ:Linux Daily Topics|gihyo.jp … 技術評論社
ベースとしているUbuntuは17.10から32bitのサポートをやめたようなのだ。
しかし、ArtfulPupは32bit版である。
これはインストールして仮に動いてもUbuntuのリポジトリは利用できないということだろうか?
しかし、この記事を見るとちょっとそうではないらしい。
Ubuntu 17.10 その84 - Ubuntu Desktop 32bit版のディスクイメージ提供終了へ - kledgeb
32bit版のCDイメージを提供しないことにしたということらしい。
ということは前のバージョンの32bit版からのアップグレードはできるということだろう。
とすると32bit版のリポジトリはあるのと思う。
本当にそろそろ32bitは無くなっていくのだろうな。
Ubuntuから32bit版が完全に無くなったら、当然、それをベースとしたPuppyも無くなるのではないか?
Slackwareベースのものだけになっていくかも知れない。
UbuntuがベースにしているDebianはどのくらい32bit版を提供していくかによるのか?
今、手元には32bitしか動かないようなPCは無いから64bit版への移行で問題ないが、ちょっと寂しい気持ちもある。
実際、32bit対応のアプリケーションも少なくなっていくだろうから、この流れは止められないだろうけれども。
これから試してみるが、できれば4.9以外のカーネルも提供してくれないだろうか?
4.10とか。
追記
試してみたところ、ある程度、うまく動いているようだ。
ただ、やっぱり時々止まる。
XenialPup64やカーネル4.9のSlacko64のように完全にフリーズしてキー入力すら効かなくなるということはなく、しばらくすると復帰する。
また、困ったのはWiFiが使えなかったことだ。
XenialPupやSlackoでもこんなことはなかったので困ってしまった。
ここから該当のカーネルモジュールをダウンロードして使ってみたがどうもうまくいかない。
どうやら「iwlwifi-3160-14.ucode」ではなく、「iwlwifi-3160-17.ucode」が必要であるらしい。
本当は32bitのものを使うのがよいのだろうが、XenialPup64にあったのを流用したらうまくいった。
Frugalインストールの場合だが、具体的には
XenialPup64をインストールしたディレクトリにある「zdrv_xenialpup64_7.0.8.6.sfs」をダブルクリックして開く。
ArtfulPupのディレクトリで端末を開き
unsquashfs fdrv_artfulpup_17.11.sfs
としてSFSファイルを解凍する。
すると「squashfs-root」というディレクトリができる。
「zdrv_xenialpup64_7.0.8.6.sfs」をダブルクリックして開いたウィンドウで「/lib/firmware」へ移動して「iwlwifi-3160-17.ucode」を探す。
それを「squashfs-root」の下にある「/lib/firmware」へコピーする。
そして、「squashfs-root」の上の階層へ移動する。
「fdrv_artfulpup_17.11.sfs」を別の場所へ移動して読み込まれないようにする。
以下のコマンドを実行して、新しい「fdrv_artfulpup_17.11.sfs」を作る。
mksquashfs squashfs-root fdrv_artfulpup_17.11.sfs
そして、再起動だ。
うまくいけば、無線LANアダプタが認識される。
もし、これでダメならば、
BootManagerの「モジュール」で「新しいモジュールを追加する」というボタンを押し、一覧から「iwlmvm」を追加する。
ネットにはつながるようになったのでしばらく様子を見てみる。
標準で入っていたブラウザはFirefoxの機能を削ったブラウザであるLightが入っていた。
古いマシンの場合には軽くて良いかもしれないが、更新が大分前に止まっているようなのでFirefoxのバージョン57(Firefox Quantum)をインストールした。
いつものようにPulseAudioもインストールしたのだが、XenialPupなどではできていた
pulseaudio --start
が失敗してしまい、音声が再生されなかった。
pulseというユーザを作り、audioというグループにいれるなどという方法も試したがうまくいかなかった・・・
apulseを使おうかな…
上のPuppy Linux日本語フォーラムのスレッドからapulseをダウンロードしてインストールし、apulseを使ってみたところ、それでもエラーが出て音が出なかった。
調べて見たところ、以下の記事が見つかった。
apulse can't open playback device when alsaequal is used · Issue #55 · i-rinat/apulse · GitHub
どうやら前に書いた記事で紹介した
Firefoxのabout:configのsecurity.sandbox.content.write_path_whitelistという項目にさらに
/dev/snd/,/usr/share/alsa/alsa.conf,/usr/share/alsa/cards/,/usr/share/alsa/pcm/,/etc/asound.conf,/usr/share/alsa/alsa.conf.d/,/usr/lib/alsa-lib/libasound_module_pcm_equal.so,/home/{username}/.alsaequal.bin,/home/{username}/.asoundrc
を追加しないといけないようだ。
{username}はアカウント名(ユーザー名)であり、Puppy Linuxの場合、当然rootとなる。
結局、
/dev/snd/controlC0,/dev/snd/pcmC0D0p,/dev/snd/controlC1,/dev/snd/pcmC1Dop,/dev/snd/pcmC0D0c,/dev/snd/,/usr/share/alsa/alsa.conf,/usr/share/alsa/cards/,/usr/share/alsa/pcm/,/etc/asound.conf,/usr/share/alsa/alsa.conf.d/,/usr/lib/alsa-lib/libasound_module_pcm_equal.so,/home/root/.alsaequal.bin,/home/root/.asoundrc
とした。
無事、YouTubeの動画の音は再生できた。
今回はAbemaTVも再生できた。
これで常用できそうだ。
なお、Firefoxをインストールしたので、Lightはもういらない。 じ通常は削除しても変更したことになって見えなくなるだけで、SFSファイルから消えることはない。
ArtfulPupはいくつかのSFSファイルに分かれており、Web Browserは「adrv_artfulpup_17.11.sfs」に入っている。
「adrv_artfulpup_17.11.sfs」をArtfulPupをインストールしたディレクトリから削除すれば読み込まれなくなり、実際にLightは削除される。
これはサイズを節約したい場合には便利だろう。
だが、細かいところでまだ不具合があるようだ。
タスクバーにあるバッテリーアイコンにマウスポインタを合わせると電池の残り容量がポップアップで表示される。
しかし、これが全然、減らないのである。
いつものようではないようだが、何かの拍子に情報が更新されなくなるらしい。
※やはり、すぐに減らなくなるようだ・・・
表示が減っていないことに気づいて、Xサーバーを再起動したら残り17%になっていた。
クリックすると表示される詳細情報ではバッテリーの容量が減っていることがわかるが、これだとちょっとバッテリー駆動で使うときに不安だ。