バージョン57以降のAndroid版Firefoxのアドオン
実はAndroid版Firefoxでもアドオンが使えなくなった
バージョン57になって、動作は速くなったが古いアドオンが使えなくなったという不満や戸惑いは消えていない。
そして、その状況はAndroid版Firefoxにも来てしまった。
今まで使えていたアドオンが使えなくなったのだ。
PC版と違って、Android版のこの対応についてはほとんど知られていなかったのではないか?
ということで、以前、書いた記事で紹介したアドオンの対応状況を調べてみた。
前提としてまず言えるのは、Web Extensions版への移行のおかげか、多くの場合、PC版と同じアドオンで対応できそうなことだ。
これならなんとかなるかも知れない。
Adobe Flash Plugin
アドオンではないが、一応、使えなくなったものとしてここに書いておく。
今のバージョンの1つ前のバージョン56で無効になってしまった。
これでほとんどのAndroidのブラウザではFlashが使えなくなった。
Phony
ユーザーエージェントを変更できるアドオン。
バージョン57で使えなくなった。
PC版の同様のアドオンで対応可能である。
私が使っているのはこれ
User Agent Switcher – Android 向けアドオン
当然、PCと見た目や使い方は少し異なる。
メニューに「User Agent Switcher - 無効」という項目ができ、これをタップすると別のタブが開いて、UserAgentを選択できる。
ちなみに、Yahoo! JapanをPC版の見た目で見ようとすると、動画ニュースを見たいときWindows上のブラウザとしてアクセスするとFlash Pluginが使われるため、前述のFlash Plugin対応終了のために見られなくなった。
そこで、Mac OS上のFirefoxとしてアクセスすることでFlash無しで見ている。
Yahoo! Japan以外でもこの方法は有効なので、普段はMac OS上のFirefoxを偽装している。
メニューの「アドオン」から「User Agent Switcher (バージョン番号:現在は1.1.0)」をタップする。
するとそこのページに使えるユーザーエージェント一覧が表示されるためにそこをスワイプ(スクロール)する。
一番下の左側に「テキストモードに切り替え」というリンクがあるのでタップする。
テキスト入力欄ができるので、そこに
Mac OS X / Firefox 57 [Desktop]: Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10.13; rv:57.0) Gecko/20100101 Firefox/57.0
と入力して、「テーブルモードに切り替え」を選択すると、これが新しいユーザーエージェントとして使えるようになっている。
アドオンタブを閉じて、上で説明したようにメニューからUserAgentを切り替える。
Desktop by Default
Desktop by Default – Android 向けアドオン
UserAgentを偽装していればほとんどのサイトでは問題ないがバージョンアップ時の不具合や、サイトによって、偽装してもモバイル版で表示されてしまう場合がある。
そんなときに常に「PCサイトモード(デスクトップモード)」で見るためのアドオン。
これも使えなくなった。
探してみたところ、「Desktop Only」というアドオンが見つかった。
これをインストールすればほぼ問題ないようだ。
しかし、サイトにアクセスしたときに送られる環境変数をチェックできるサイトで調べてみたところ、これもUserAgentを偽装することでデスクトップの表示にしていることがわかった。
これではUserAgent Switcherと同じなので、意味がないだろう。
単純にPC版の表示がしたいだけの人は、UserAgent Switcherをインストールせずにこちらだけインストールすると良いかも知れない。
ただし、Linux上のFirefoxを偽装するためにYahoo! Japanの映像ニュースは見ることができない。
uBlock Origin
uBlock Origin – Android 向けアドオン
広告ブロックのアドオン。
PC版でもAdblock Plusなどよりも軽いとか、Adblock Plugを開発している組織がお金を払った企業については広告をブロックせずに表示すると言ったことをしており、uBlockはこれが無いので乗り換えている人も多い。
広告をブロックする「Adblock Plus」が広告の販売を開始 - GIGAZINE
こちらはそのまま使える。
むしろバージョン57になってから以前にあった不具合がなくなり、問題なく使えるようになった。
QuitNow、CleanQuit
CleanQuit (Mobile) – Android 向けアドオン
QuitNowはメニューに「終了」という項目をつけるアドオン。
CleanQuitは「CleanQuit」という項目ができて、これを押して明示的に終了するとクッキーや履歴などを消去できるアドオン。
どちらも使えなくなった。
しかし、実はこの機能は今のバージョンのFirefoxには標準で備わっている。
メニューの「設定」を押して設定画面を開き、「プライバシー」という項目をタップする。
「終了時にプライベートデータを消去」という部分をタップすると消したい項目が現れる。
ここで消したい項目を選ぶとこの機能が有効になり、メニューに「終了」という項目が現れる。
単に終了するだけということはできないが、「検索履歴」だけを削除するなど影響の少ないものだけを選択すれば、ほぼ終了するだけの用途に使えるだろう。
Toggle JavaScript Enabled
https://addons.mozilla.org/ja/android/addon/toggle-javascript-enabled/
簡単にJavaScriptを無効にしたり、再び有効にしたりできるアドオン。
これも使えなくなった。
ページも削除されてしまっている。
JavaScript Toggle On and Off (WebExtension) – Android 向けアドオン
Javascript Control – Android 向けアドオン
Quick JS Switcher – Android 向けアドオン
幾つか試してみたのだが、どうもきちんとうまく動いていないようだ。
環境にもよるかも知れないので上のページなどで確認してみて、使えるようならどうぞ。
Tap Translate
Tap Translate – Android 向けアドオン
ブラウザ上の単語を長押しして選択すると翻訳ができるアドオン。
今のバージョン57でもそのまま使える。
単語を長押しして選択すると右上に「T」と書かれたボタンが表示され、これをタップすることで翻訳結果が表示される。
PDF Viewer(pdf.js)
PDFをブラウザ内臓のビューワで見ることができるアドオン。
この機能はPC版では標準搭載になったため、アドオンのページ自体が消えてしまった。
GitHub - mozilla/pdf.js: PDF Reader in JavaScript
Android版Firefoxでも同じようにしてブラウザでPDFを見たいという人はGitHubでxpiファイルをインストールすることでそれが可能だった。
しかし、今のバージョンのFirefoxでは、インストール時に許可を求めるダイアログは出るものの、ダウンロードしたあと、インストールに失敗しているようだ。
これは外部アプリを使って見るしか無いようだ。
###Speed Tweaks (SpeedyFox)
Speed Tweaks (SpeedyFox) – Android 向けアドオン
サーバへの同時接続数などブラウザの設定を変えることで通信を高速化するアドオン。
PC版でもAndroid版でも使えなくなった。
about:configの設定を変更しているので、その項目を手動でいじれば同じことはできる。
また、今のバージョンは標準でも随分と早くなったので、そもそも必要が無いかも知れない。
View Source Mobile
View Source Mobile – Android 向けアドオン
ページのソースを表示するアドオン。
これも使えなくなった。
URLバー(アドレスバー)で、URLの頭に「view-source:」と入力して読み込むとソースを見ることができる。
ちょっと面倒だ。
探してみたところ、同様のアドオンがあった。
ときどき使うから、やはりワンタッチで使えるほうが便利だ。
Image Block X
Image Block X – Firefox 向けアドオン
ページの中の画像を読み込むかどうかを切り替えられるアドオン。
Android 版 Firefox で画像をブロックまたは Wi-Fi 環境でのみ読み込む | Android 版 Firefox ヘルプ
Android版Firefoxには標準で画像の読み込みを有効にするか無効にするか設定することができる。
無効にしていても、ブロックしたというアイコンマークを長押しすることで個別に画像を見られるということになっているのだが、うまくいかないことが多い。
これはワンタッチで切り替えられるので便利。
メニューの「Images are allowed」という項目をタップすると読み込まないようになり、「Images are blocked」という表示に変わる。
そのままではページは変わらないので手動で再読み込みする必要がある。
その他
ブックマークレットはそのまま使えると思う。
また、この記事を書いていて気づいたのだが、Android版Firefoxについていたリーダーモードはそれを有効にするアイコンがあまり出てこなくなった。
本当に特定のサイトでないとアイコンが出ないのでほとんど使うことはない。
リーダーモードにした記事の一覧表示(リーディングリスト)が無くなったので探すことができなくなっている。
まあ、元々使わないのだが。
どうしても今見ているページをリーダーモードして見たい場合は、表示されているページのアドレスバーをタップしてURLの先頭に"about:reader?url="を追加してエンターでリーダーモードを実行できる。
まとめ
とりあえず、自分の使っているアドオンについて、バージョン57以降の対応状況と代替アドオンを調べてみた。
多くのPC版アドオンが使えるようになると思う。
例えばTampermonkeyは以前はAndroid版では動かなかったが、現在のバージョンでは動く。
Greasemonkeyの代替アドオンだったが、Andoid版はそもそも無かった。
不完全ながらいくらかのスクリプトが動くusi (User|Unified Script Injector) というアドオンはあった。
usi (User|Unified Script Injector) – Android 向けアドオン
バージョンアップされて、今のバージョンでも使うことができるが、Tampermonkeyが使えるなら必要無いかもしれない。