(Version 56はおかしい)Firefoxのプロファイル新規作成とWebExtension対応、代替アドオンを探してみる
- はじめに
- ブックマークのバックアップとプロファイルの新規作成orリフレッシュ
- アドオンのWebExtension対応状況と代替アドオン
- about:addons-memory
- Firebug
- Click to Play per-element
- S3.Google Translator
- Stylish
- User Agent Overrider
- BetterPrivacy
- Disconnect
- uBlock Origin
- Fasterfox、Speed Tweaks (SpeedyFox)
- Greasemonkey
- VimFx
- FxIF
- Amazon Price Tracker - Keepa.com
- Smart HTTPS
- DownThemAll!
- Twit Side
- Firefox Multi-Account Containers
- Switch Container
- Min-Vid
- ツリー型タブ(Tree Style Tab)
- その他
はじめに
現在のFirefoxはバージョン56です。
Firefox Quantumと名付けられたバージョン57ではWebExtensionに対応したアドオンでないと使えなくなります。
現在、バージョン57はベータ版ですが、あと一ヶ月経たずして公式版としてリリースされます。
Firefoxバージョン56を使っていたのですが、不具合があるのか、ラグ、もたつきがあり、起動して暫く付かっているとマウスをクリックしても反応しない時間ができて使いづらいのです。
そこで次回のアップデートまでベータ版を使うことにしました。
ブックマークのバックアップとプロファイルの新規作成orリフレッシュ
バージョン56、バージョン57になってから、それ以前は見ることができていたAbemaTVが視聴できなくなっていました。
どうやらバージョン55以前のプロファイルの中に、新しいバージョンでは使えない設定や不具合を起こす設定があるようです。
そこでプロファイルを削除し、改めて作り直しました。
私は不断ほとんど使っていなかったせいもあり、うっかりブックマークのバックアップを取らずに消してしまいました・・・。
ブックマークのアイコンから「すべてのブックマークを表示する」を選んでブックマーク一覧のウィンドウを出して、メニューからブックマークをエクスポートしましょう。
「インポートとバックアップ(I)」から「バックアップ(B)」を選びます。
するとダイアログで指定した場所にjsonファイルで保存できます。
「HTMLとしてエクスポート(E)」を選んでhtmlファイルとして保存することもできます。
そのあと、Firefoxを終了し、端末(コンソール、コマンドプロンプト)で
firefox -P
とすると、プロファイルを表示するウィンドウが出ます。
通常は「default」となっているかと思いますので、これを削除します。
そして、「新しいプロファイルを作成(C)」で新しいプロファイルを作ります。
標準で「Default User」となると思います。
これでも良いのですが、もともと「default」でしたからこの名前で作った方が良いでしょう。
そして、文字が隠れていますが、「今後このプロファイルを使用する(S)」にチェックを入れてウィンドウを閉じます。
これで新しいプロファイルを使うことができます。
もう一つ、もっと簡単な方法があり、それは「三」に似たアイコンのハンバーガーメニューにある「ヘルプ」から「トラブルシューティング情報...」を選ぶとトラブルシューティング情報が表示されたタブが現れます。
あるいはアドレスバーに「about:support」と直接入力しても良いです。
右上の「Firefoxの性能改善」というところの下にある「Firefoxをリフレッシュ...」というボタンを押します。
設定やアドオンを削除し、既定値に戻すという警告が書かれたダイアログが出るので、「Firefoxをリフレッシュ」というボタンを押します。
これでその警告文の通り、まっさらの状態に戻ります。
完全に新しいのでアドオンも含めて個人設定はありません。
また新しく設定しなおす必要があります。
ブックマークは、本棚のようなアイコンを押して、「ブックマーク」を選んで次のメニューから「すべてのブックマーク」を選択、ブックマーク一覧のウィンドウを表示させます。
「インポートとバックアップ(I)」から「復元(R)」もしくは「HTMLからインポート(I)」を選んで、さきほどバックアップしたブックマークを復元できます。
追記
それ以外のデータのバックアップはこちらから
古いプロファイルから必要な情報を復旧する | Firefox ヘルプ
ただし、情報が古い可能性があります。
バージョン57(Firefox Quantum)で作ったプロファイルをバージョン56以前で使わないでください。
動作がおかしくなります。
アドオンのWebExtension対応状況と代替アドオン
さて、ここからが本題です。
冒頭に書いたように旧式のアドオンはバージョン57以降では使えなくなっています。
そこでWebExtensionに対応したアドオンと、無い場合には代替のアドオンがあるかどうかを探してみました。
以前、使っていたアドオンは以下。
これらのアドオンの対応状況と代替アドオンを調べてみました。
about:addons-memory
about:addons-memory – Firefox 向けアドオン
インストールしているアドオンのメモリ使用量を調べられるアドオン。
Firefoxの速度を低下させたり動作をおかしくさせているアドオンを見つけるのに役立つアドオンです。
2016年にバージョンアップされたものもあります。
about:addons-memory 2016 – Firefox 向けアドオン
しかし、いずれもWeb Extension版はないようです。
Firebug
かつて隆盛を極めた開発ツールです。
これもWebExtension対応はされていません。
今ではFirefoxに標準搭載の開発ツールでかなり多くのことができるようになっています。
Click to Play per-element
Click to Play per-element – Firefox 向けアドオン
埋め込まれた要素をクリックしてからプラグインを有効にするClick to PlayはFirefoxで標準搭載されています。
しかし、通常はプラグインを有効にするとそのページの全ての要素が有効になってしまいます。
利用したい要素だけでプラグインを有効にするアドオンです。
これも現在、WebExtension版への対応はありません。
Flash以外のプラグインは無効となっており、FlashもAdobe自身が2020年までに廃止することを発表しています。
Mozilla、FirefoxにおけるFlash終了への対応を発表 | マイナビニュース
Firefoxも2019年中には基本的に全てのFlashコンテンツを無効とするようです。
S3.Google Translator
S3.Translator – Firefox 向けアドオン
選択したテキストやページ全体を翻訳できるアドオンです。
好みの問題ですが私はこれを使ってきました。
しかし、このアドオンはWeb Extensionには対応していません。
Google™ Translator (webextension) – Firefox 向けアドオン
Google™ Translator (webextension)というアドオンが、ある程度、使い方が似ていたのでこちらに乗り換えることにしました。
追記
10月30日にバージョン6.1としてWebExtensionsに対応しました。
それにともなってS3.Google TranslatorからS3.Translatorと名前を変えたようです。
こちらのアドオンの方が馴染みがあるので、またこちらに戻そうかと思います。
Stylish
Stylish - Custom themes for any website – Firefox 向けアドオン
Webページの見た目やFirefox自身の見た目を変えることができるアドオンです。
Stylus (Beta) – Android 向けアドオン
Stylus (Beta)がベータ版ながらWeb Extension対応となっており、代替として使われています。
User Agent Overrider
User Agent Overrider – Firefox 向けアドオン
どのOSのどのブラウザでそのWebページを見ているかということをWebサイトに伝える機能がブラウザにはあり、その情報はユーザーエージェントと呼ばれています。
このユーザーエージェントを変更することができるのがこのアドオンです。
変更することでWindowsやMacにしか対応していないとされるサイトが利用できる場合があります。
本当は使えるのにOSではじいていて使えない場合があるんですよね。
有名なのは動画配信サービスのGyao!です。
Linuxでも利用できるはずが、WindowsとMacでないと視聴できないとしてしまうんですよね。
また、Yahoo! Japanの動画ニュースはWindowsだとFlashを使って再生しようとします。
Flashは必ずしも必要ないのに何故かOSで使うものを決めてしまうんですね。
ユーザーエージェントを変更するアドオンには、他にも有名なものがありますが、このアドオンの方が新しいユーザーエージェントを変更しやすかったのでこれを使ってきました。
その有名アドオンと名前が同じでややこしいのですが、この後継にあたるWeb Extension版アドオンがUser Agent Switcherです。
User Agent Switcher – Firefox 向けアドオン
作者も別の人であり、厳密には後継ではないのですが、User Agent Overriderも代替としてこれを紹介しており、アイコンも色違いとなっています。
少し違いますが、ユーザーエージェントの追加、変更はしやすいです。
BetterPrivacy
Flashコンテンツが記録する、スーパークッキーとも呼ばれるFlash-cookies (Local Shared Objects, LSO)というものがあり、これを利用するとプライベートモードを使っていても個人を追跡、特定できてしまうという懸念があり、これを管理できるアドオンです。
でした、というのが正しく、現在ではアドオン自体が削除されています。
Disconnect
ウェブページを見ているユーザーを特定、追跡するサイトを可視化、ブロックできるアドオンです。
これは既にWeb Extensionに対応しており、これを使うことができます。
注意にあるように、Disconnectを他の広告除去アドオン(AdBlockやuBlockなど)と使う場合には、Disconnectを一番最初にインストールしなくてはいけません。
uBlock Origin
uBlock Origin – Firefox 向けアドオン
広告を除去することができるアドオンです。
以前はAdBlock PlusやAdBlock Edgeなどが使われてきましたが、メモリ使用量が少ない、動作が速いなどの利点があり、現在ではuBlockが主流です。
uBlockは開発陣によるトラブルがあり、最初の開発者がuBlock Originを公開、メンテナンスしています。
uBlock Originは移行時にトラブルがあったもののWeb Extensionに対応しており、トラブルのことを考えてもこちらを使うことをお勧めします。
Fasterfox、Speed Tweaks (SpeedyFox)
Speed Tweaks (SpeedyFox) – Firefox 向けアドオン
Firefoxの設定を最適化して、通信速度を高速化するアドオンです。
どちらもWeb Extension版は出ていません。
about:configを直接変更すれば同じ効果が得られます。
しかし、現在のFirefoxはそのままで十分高速にWebページを表示できるのでわざわざ変更をする必要は無いかもしれません。
Greasemonkey
Webページの見た目だけでなく動作も変えてしまうことができる、Stylish、Stylusよりも強力なツールです。
Web Extension対応はされておらず、代替としてTampermonkeyが多くのユーザーに使われているようです。
VimFx
私は使っていませんが、Vimというエディタのようなキーを使って、ページのスクロールやリンク間の移動、リンクの選択などができ、マウスを使わず、キーボードだけでWeb閲覧ができるようになるアドオンです。
VimFxはWeb Extension対応はされず、このまま開発終了となる予定となっており、作者によってVimium-FFとSaka Keyが代替として提案されています。
Vimium-FF – Add-ons for Firefox
Saka Key – Add-ons for Firefox
最近、日本人開発者よってVim Vixenという代替アドオンが公開されました。
Vim Vixen – Add-ons for Firefox
FxIF
Webページにある画像(基本的にJPEG)について、EXIFという画像ファイル内に記録された情報を見ることができるアドオン。
代替としてwxIFがあります。
Amazon Price Tracker - Keepa.com
Amazon Price Tracker - Keepa.com – Firefox 向けアドオン
Amazonの商品ページでその商品の価格変動のグラフを表示させられるアドオン。
現在の商品の価格が高いのかどうか確認することができます。
これはすでにWeb Extensionに対応しています。
Smart HTTPS
訪れたWebサイト、WebページがHTTPSに対応していれば自動的にHTTPSのページへリダイレクトするアドオン。
HTTPS Everywhereの方が有名です。
HTTPSへリダイレクトされるもののページの内容が無かったり、正常に表示できない場合があるので、その場合にHTTPプロトコルでアクセスしなおす機能もあります。
Smart HTTPS (revived) – Firefox 向けアドオン
Smart HTTPS (revived)が公開されています。
DownThemAll!
多重ダウンロード機能など標準のダウンローダーには無い機能が搭載された高機能ダウンローダー。
Don't work with Firefox Nightly · Issue #256 · downthemall/downthemall · GitHub
作者は当初はWeb Extension版を作るつもりは無かったようですが、やはり作ることにしたそうです。
しかし、旧式ほど自由にはコントロールできないため、簡易版になるとのことです。
似たようなものとしては、Windows版のみですが、Internet Download Managerという単体のダウンローダーがあり、ダウンロードの際にこれを使うためのアドオンが用意されています。
Internet Download Manager: the fastest download accelerator
Download with Internet Download Manager – Firefox 向けアドオン
また、LinuxにはAria2というダウンローダーがあり、そちらを使うようにするアドオンもありました。
Send to Aria2 WE – Firefox 向けアドオン
Twit Side
Twit Side - twitter timeline on your sidebar – Firefox 向けアドオン
Twitterのタイムラインをサイドバーに表示させることができるアドオン。
複数のアカウントを連係させて、表示するタイムラインを切り換えて使えます。
0.9系からWeb Extension対応となったそうです。
Firefox Multi-Account Containers
Firefox Multi-Account Containers – Firefox 向けアドオン
タブごとにアカウントを関連付けて、ログイン情報、クッキーなどを切り換えて使うことができるアドオンです。
たとえば個人というアカウントでTwitter、GMail、Yahoo!メールにログインして開いておきます。
今度は仕事というアカウントを開くと未ログイン状態になっており、別のアカウントでTwitter、GMail、Yahoo!メールにログインできるというものです。
複数のWebサービスのアカウントを同じブラウザで切り換えて使うことができるわけです。
作者はMozillaとなっており、以前はTest PilotのContainersとして実験的に使えるようになっていたものです。
Firefoxの“別人格での同時ログイン”機能「Containers Feature」、Nightlyでテスト開始 - ITmedia NEWS
これがMulti-Account Containersとして正式に使えるようになったという訳です。
旧式のアドオンに「Multifox」という同様の機能を提供していたものがあったのですが、e10s(Chromeのようにタブ毎に別のプロセスになる機能)に対応できてないということでMozilla公式のアドオン配布サイト(AMO)から削除されたようです。
今ではGitHubにあります。
ありますが、前述の通りe10sに対応しておらず、Web Extensionにも対応できていません。
どうしても使いたいという人以外は避けましょう。
Switch Container
Switch Container – Firefox 向けアドオン
これも複数のアカウントを切り換えて使うことができるアドオンです。
Multi-Account Containersよりも簡略化されています。
アカウントの名前やアイコンを変えることはできませんがこちらの方が簡単で使い易いかも知れません。
Min-Vid
Mozillaの実験的な機能として提供されているアドオンです。
上のマルチアカウントを使えるようにするアドオンも元はこの実験的な取り組みの1つでした。
このMin-VidはYouTubeなどの動画をコンパクトなウィンドウ(サイズは設定で変更可能)で画面の隅に表示させておくことができるアドオンです。
ながら試聴をするときに良いでしょう。
同時にTest Pilotというアドオンがインストールされ、使用状況などの情報がユーザーを特定しない形でMozillaに送信されます。
気になる場合は、Test Pilotを無効化すれば良いと思いますが、心配な人はインストールしないようにしましょう。
ツリー型タブ(Tree Style Tab)
タブをサイドバーに縦に表示し、どのタブのページのリンクから開いたタブかという関係をツリー状にして表示させることができるアドオンです。
ツリー型タブ (Tree Style Tab) – Firefox 向けアドオン
Web Extensions版に対応したものがバージョン2.0として公開されています。
これはバージョン57以降に対応しており、バージョン56にはインストールできないようです。
その他
その他のアドオンは以下のリンク先でまとめられています。
firefox57 :: タグ :: Firefox 向けアドオン
Firefox WebExtensions – Add-ons for Firefox
さらに幾つかのアドオンはそのままアップデートするのではなく、別のアドオンとして作られ、「revived」として公開されています。
なのでアドオン配布サイトで「revived」というキーワードで検索すると、Web Extension対応アドオンを見付けることができます。
「revived」の検索結果 – Firefox 向けアドオン
Web Extensionの頭文字を使って「WE」を名前の後ろにつけたアドオンもあります。
これらを使って、自分の使っているアドオンがWeb Extentionに対応しているかどうか、また代替物がないか調べると良いでしょう。
今はまだ無くてもこれからWeb Extension対応のアドオンは増えていくはずです。
定期的にチェックしましょう。
古いアドオンを使い続けたい場合は、WaterfoxやPaleMoon、Lightを使うことを検討しましょう。
Lightはちょっとバージョンが古いですが、Waterfox、PaleMoon、LightはWindows、Mac、Linux版が全てあります。
Pale Moon for Mac OSX - Pale Moon forum
Mac版PaleMoonは非公式となっており、ダウンロード先がフォーラムにあります。
全てのアドオンに対応しているわけではありませんが、SeaMonkeyも良いかなと思います。
SeaMonkey向けアドオンがMozilla公式配布サイトにあることも魅力です。