ひきこもり脱出はハッピーエンドとは限らない
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自称プログラマー、47歳引きこもりの迫力がスゴイと話題 : IT速報生活状況は変わらないのに障害認定されるかどうかで意見が変わることのほうが問題なんだが。障害認定されても年金が下りるまでにはならず親と同居は多い。むしろ施設などに入っている人の方が少ない
2016/03/07 10:17
ひきこもりに対する偏見と障害者に対する偏見とそう変わりない割に、障害認定されそうなくらいの病気に見える様だと、病院へ連れていく事案ということで形をつける人が少なくない気がする。
障害認定されても生活は変わらないのがほとんどだし、周囲からの扱われ方も変わらないか、障害の分ひどくなるのだが。
個人的経験
私は学生時代に対人恐怖からうつ病になり、そこからひきこもりになった。
地方では、相当に重い障害者の施設しかなく、自立支援団体に繋がることが不可能だったからだ。
数年のひきこもり生活の後、ある機会があって、東京へ出た。
自活しながらひきこもりの支援団体に入り、居場所へ通ったり、ボランティアに参加した。
うつの後遺症と対人恐怖は続いていて辛かったが、地方にあるどこまでも逃れられない人間関係が無い分だけ随分マシだった。
フルタイムと言って良い位のパートと言う形で就労もした。
そこにも人間関係があるし、毎日通う道すがらにすれちがう人との関係も辛かったが雇用期間満了まで務めた。
仕事自体はさほど難しく無かったが頭がすっきりせず、手応えが無いというか手探り状態だった。
次の仕事を探すのも難しかった。
そもそも履歴書に空きがあるので最初の仕事が決まったのが運が良かったのだ。
また、仕事をした事でいよいよ対人恐怖が深刻になってきており、治らないうつの後遺症とで実際仕事どころではなかった。
そんなわけで、次の仕事が決まるも1ヶ月しかもたなかった。
いよいよ病気がひどくなってきたのと、障害者枠の就職という道も支援団体から紹介されていたので、病院を受診した。
しかし、これが更なる不幸の始まりだった。
処方された薬を飲んだら幻聴が聞こえだしたのだ。
勿論、その時は幻聴だとは思っていなかったので、家族に電話で助けを求めた。
結局、家族に連れられて実家へ逆戻り。
東京暮らしは幕を閉じた。
幻聴はその後も続き、薬の影響が無くなるまで2ヶ月ほどかかった。
その間に脳が幻聴のある状態を覚えてしまったのか、ストレスを感じる状況が続くと幻聴を振り返す様になってしまった。
結局、ひきこもり脱出を試みて、精神障害を得ただけだった。
好奇心や興味が持てなくなり、同じ集中力の低下と言ってもうつのそれとは異なり、考えがまとまらなくなるという症状に苦しめられる。
そして幻聴。
近所やさらに広い地域での噂はさらにひどくなり、それが更なる幻聴を生み、区別がつかなくなってくる。
ひきこもりを更正させる時には覚悟する事がある
そんな状態になればひきこもっても多くの人は納得するのだろうか?
実際は納得しないから噂や中傷は止まず益々エスカレートするのだ。
ひきこもり脱出を勧める家族は、ひきこもり当事者がそれに挑戦した結果、より重い障害を持つ事を覚悟しなくてはいけないと思う。
当事者だって頑張った結果、ひきこもっていた頃より悪くなって苦しむ事になるのだから。
また、現在、引きこもっているの人がすでに精神障害を患っている可能性もある。
多くの精神障害者が年金受給については承認されず、親と同居して生きている。
生活保護を受けてグループホーム等の施設へ入れるのは極一部だ。
そもそも病気がひどくなる前のひきこもりの方が自分の身の回り事はできるから、自活が容易なのだ。
ひきこもりという名前だけが独り歩きして大騒ぎする事で当事者を追い詰めるだけでなく、安易に外の世界に放り出す事でより社会保障の負担を重くする重度の精神疾患を抱える人を増やす事になりかねないという事も考えてほしい。
私は冒頭のひきこもり当事者とは違い、田舎ではどうにもならないのでどこかの施設へ入れてくれと親に頼んでいた方だったし、機会があって東京へ出られて自分で支援施設とつながったのは良かったと思っている。
しかし、結果としての現在の状況を考えると何が正解かわからない。
正解はわからないが、ただ
ただ、冒頭の記事で紹介されているひきこもり当事者は何故、あんなになるまで放って置かれたのかわからない。
遅すぎるということはないのかもしれないが、自立支援のスクールに入寮させるというならもっと早くできたのではないだろうか?
30歳までに自立支援団体とつながることができれば、就職以前に職業訓練校に通うこともできた。
私も遅すぎてできなかった口だ。
長期化するひきこもりの親は、本人に「どうするんだ」と言うばかりで、子供のことについて何一つ調べようとしない。
引きこもっていて自分の楽しみのためという目的ですら外へ出ない子供に自分で決めて自分でやれ、というばかりなのだ。
動き出せないのだから自分のできる範囲で動くことができる環境を整えなければ無理に決まっている。
斎藤環氏も「そもそも外に出られないから引きこもっているのだから、まずは親が病院などとつながってほしい」というようなことを言っていた。
通っていた支援団体の様子を見て思ったのは、少しずつでもひきこもり状態から前に進んでいる人の親は、自分の親とはずいぶん違うということだ。
自分の親も含めてひきこもりが長期化する人の親は、例えば冒頭の記事の番組くらいは見るかもしれないが、支援団体について調べたりしないし、引籠りに関する新聞記事や雑誌なども見ていないのではないかと思う。
私の親は現在の私の病気である統合失調症についてすら調べようとしない。
相変わらず病人に自分ですべてを決めさせようとしている。
上に書いたことと矛盾するが、個人的には丸投げするならせめて施設くらいは探してから施設へ丸投げしてほしいと思う。
ひきこもり当事者や精神障害者本人にすべてを丸投げしても事態は動くはずがない。
当事者自身はひきこもりを続けているという点では同じでも、将来をここまで考えている親もいる。
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表面上、ひきこもっているという状況は同じ家庭、家族でも、内情はずいぶん違うのではないだろうか。
とりあえず、こういう記事くらいは読んでほしい。
いずれにしろ、正解はわからない。
個人的にはせめてやってみた結果、障害者になったら諦めてよねということかな。
蛇足というか愚痴
すっかり文章が書けなくなって、長い文章が書けないし、頑張って書いてもまとまりがないし、数少ない自己表現の手段を奪われてとても苦しい。
集中力がなく、まとまりのない考えというか妄想のようなものが頭に飛び交っていて、本もほとんど読めない。
つまり、インプットもアウトプットも難しくなっている。
欲求不満だけが溜まっていく状況だ。
本当にそういう意味では、ただのうつ病をこじらせたひきこもりに戻りたい。
額の奥がもやもやする。
ひきこもりのゴールはどこにあるのでしょうね