あれこれ備忘録@はてなブログ

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今度こそ、本当に統合失調症の原因が特定されたのか?

有力とされる特定遺伝子が見つかったらしい

統合失調症の遺伝的・生物学的原因が科学者によって発見される

統合失調症は、まとまりのない思考や運動、幻覚や妄想など、さまざまな形で発症します。そうした症状が重なって、正常に機能することができなくなる患者が多いのですが、効果的な治療の選択肢は非常に限られています。

研究者たちは、過去5年で30カ国の65000人の遺伝子データを集めました。統合失調症には、ある遺伝子の変異が関与していることまではわかっていましたが、彼らは、膨大なデータセットを使って、できるだけ強い相関関係を発見したかったのです。その結果見つかったのが、補体第4成分(C4)という遺伝子で、C4が高度に発現する人は、統合失調症を発症する確率がかなり高いことがわかりました。700人分の脳のサンプルを分析することによって、C4遺伝子とタンパク質の生成の関連性が確認されたのです。

研究者たちは、変異した C4遺伝子を持っていると、思春期のシナプス刈り込みが過剰に起きてしまい、患者の統合失調症リスクを上げるのではないかと考えています。これは、統合失調症の症状が10代から20代初期に始まること、統合失調症の成人の大脳皮質が薄く、シナプスが少ないことの説明にもなるでしょう。C4はまた、統合失調症患者の免疫システムと微生物叢の構成にも影響を及ぼすと考えられていますが、C4の発現と免疫変異体の詳細な関連性はまだわかっていません。

シナプス刈り込みとは

シナプス刈り込みというのは、脳の神経回路を整理する仕組みの1つで、使われていないものを取り除く役目を果たしているようです。

これは無ければないで大変困ったことになるようで、自閉症ではむしろシナプス刈り込みが足りないことで病気が発症したり重量化したりしている可能性が指摘されています。

薬剤でシナプスの「刈り込み」回復、自閉症治療に可能性 米研究

自閉症の根本治療の可能性となりえる?!古くなった脳細胞を除去する『ラパマイシン』

シナプス刈り込みに関してはGABAとの関係も指摘されています。

東大、「シナプス刈り込み」には抑制性神経伝達物質「GABA」が必須と究明

GABAは血液脳関門を越えないので外からとっても無駄だとは言われているようですが、材料や脳の外で使われる分を補うことで脳で使われる分が増える可能性や、抗ストレス効果自体は認められているようです。

本当にこの遺伝子だけで説明できるのか?

しかし、以前の研究ではこれ以外の可能性が指摘されています。

特に双極性障害と重なる部分について多くの研究があるようです。

創造性の遺伝子、統合失調症や双極性障害の遺伝子と同じルーツかもしれない

統合失調症や双極性障害の候補遺伝子のピラミッド

統合失調症に関連していた除夜の鐘と同じ数の遺伝子

統合失調症双極性障害ドーパミンドーパミン神経回路が関係しているそうですから、病気のメカニズムに類似性があり、病気の要因となる遺伝子にも重なる部分が多いとされています。

今回の結果のようにたった1つの遺伝子が統合失調症を引き起こすとすれば、これらの研究はどう説明するのでしょうか?

上のリンク記事だと候補となる遺伝子は108つですよ。

統合失調症といっても1つの病気ではない可能性も指摘されています。

猫を飼うことと統合失調症は関係がある? (調査結果)

トキソプラズマに感染している可能性が指摘されています。

まとめ

シナプス刈り込みが過剰に行われる可能性はあるのだろうと思います。

すでに統合失調症を持つ人は、灰白質という部分が発症前から減少していると指摘されていました。

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しかし、これだけで本当に説明しきれるのかどうか知りたいところです。

そして、今回の研究結果は、すでに発症した人への福音となるのかどうかも気になります。

これまでに発症した人は手遅れです、残念でしたというのでは意味がないとは言いませんが、かなり落胆の度合いが大きいです。

今後の動きを待ちたいですね。