ネットをする手段を光回線に限定させるということ
さきほどの記事の続き。
考えてみると地方は元からだが色々と不利である。
地方はISDNが来るのもかなり遅く、地域によってはADSLサービスが都心を中心に始まって、ややしばらく経ってからようやくISDNが来たところもあった。
これはつまり提供されたサービスが、使えるようになる時期が遅く、かつ使える期間が他の地域よりも短いことを意味している。
ADSLも他の地域では提供されているサービスが使えるようになる前に光回線に変わろうとしているわけだ。
大都市圏では高速なADSLサービスが使える一方、速度を抑えた格安なプランも提供されているが地方には未だそれがない。
そんななかでADSLサービスそのものが終わろうとしているのである。
ところで最初の頃はADSLがISDNに干渉するからとNTTが良い顔をしなかったりしたとも言われている。
NTTはISDNにこだわってADSL普及を阻害したことが日本の高側回線網の整備が遅れた原因だとも言われた。
韓国ではいち早くADSLを導入したために一時は世界一の高側回線網を持つ国となったそうだ。
今回の光回線でも似たようなことが起きる可能性はあると思う。
奇しくも韓国で既存の電話回線を使って光回線並みの通信速度を実現する技術が去年、発表された。
【Mobile Asia Expo 2014 Vol.11】韓国KTのメタル回線を活用した高速通信技術「GiGA wire」
これが普及すると確実に光よりも安くなる。
また、光回線契約を勧誘しに来た販売員は光回線を使った防災情報システムのことも考えて導入を考えて欲しいと言っていたが、これも去年の異常気象での災害時に機能しなかったことがわかっている。
停電時に通話できなくなるのは、IP電話だけではない! | 知らないと危険?!人命と財産を守る防災知恵袋
メタル回線であれば、電話回線から電力も供給されているために旧来の電話のほうが災害時、停電になっても電話が使えるのである。
むしろこのことを利用した防災システムを作ったほうがいいと思う。
緊急の信号に反応する装置を電話と電話線の間に噛ませればいいだけだ。
停電時には使えない防災情報システムを導入させて、電話をIP回線に切り換えさせたり、今ある回線とは別に余分にIP回線契約を結ばせるなどということはしないで欲しい。
ネット技術が家電にまで使われ、ネットがないと生活が成り立たなくなる時代が来つつあるときに、ネットに接続する手段を可能な限り多くの人に提供するのは、或る種、回線業者の責務だと思う。
防災情報システムに使うくらいなのだから、ネットは既にライフラインの1つなのだから。
となるとネット接続も日本国民全ての人が使えるようにするべきで、価格にも電気・水道などの公共料金と同じような考え方が必要になると思う。
そもそも生活保護を受けている人たちは障害者も含めてネットを利用する以前にパソコンも持たせてもらえないことが多いわけだが。
(そのくらい現代の技術やそれを使った仕組み、制度に慣れていない人たちにプリペイド式とはいえクレジットカード(多分デビットカード)を支給しようという実体を知っていれば危険性が十分にわかるはずの政策を打ち出している市長が大阪にいるが、それは別の話。)
光回線を安くするか、安い接続方法を提供するなど選択肢を増やすことを考えなければならないと思う。
すぐにでもできると思われる方法は、光回線のマンションタイプのプランを戸建てにも適用することだ。
マンションタイプでは建物までは光回線で各戸(部屋)へはADSLと似た方法で通信を行うそうだ。
これだと通信速度は犠牲になるが料金は安い。
何処かの電柱に同様の装置を設置して、そこから周囲の数件にメタル回線で通信環境を提供すればできるはずだ。
ADSLは基地局から2kmほど離れると提供されているベストエフォートの半分ほどに通信速度が落ちてしまうが、この方法だと光回線の通信容量を頭数で割る分だけ遅くなるとは言え、これまでのADSL通信よりは早くなるはずである。
ネットで調べてみるとマンションタイプの光回線は40Mbpsくらいは出ているようなので、個人的には十分。
NTTには是非、検討してもらいたいと思う。