ビタミンを最初に発見したのは日本人。最初のビタミンはビタミンBだった。 『ヴィタミン研究の回顧』鈴木梅太郎
玄米を食べると調子がいいです。
玄米にはGABAやビタミン・ミネラルが含まれているので、うつ病や統合失調症に効果があると言われています。
また、血糖値の急激な上昇を防ぐので、血糖異常による精神症状にも効果があるらしいですよ。
玄米と白米の違いは、表面の糠を剥がしたかどうかですよね。
この糠から抽出されたのがビタミンB。 世界で初めて、蛋白質や糖質とともに生命維持に必須だと認められた栄養素です。
これを見つけたのが鈴木梅太郎という日本の化学者。
畑違いだったせいで、世界でも注目されず、日本国内でも医学界から批判的に受け止められていたこともあり、彼の功績はほとんど知られていません。
『ヴィタミン研究の回顧』はそのときの話を鈴木梅太郎が振り返ったものです。
鈴木梅太郎はビタミンBを最初に発見した時、これをオリザニンと名付けたそうですが、前述の通り、注目浴びることがなく、その後、外国の科学者が同様のものを発見し、これをビタミンと名付けたそうです。
しかし、その科学者が発見・抽出したと主張したのは、鈴木氏がすでに発見したニコチン酸の結晶だったと言われています。
ナイアシンというのはニコチン酸アミドのことなので、もしかするとナイアシンなのかも知れませんね。
海外でビタミン研究が盛んになるまで、日本でも鈴木梅太郎のオリザニン、ビタミンBは顧みられず、ビタミンB欠乏によって起こる脚気の治療にオリザニンが使用されることは殆ど無かったそうです。
そもそも、医学界の大勢が脚気を感染症の一種だと捉えており、まさか栄養失調からくるものだとは思わなかったそうです。
あの森鴎外ですら、軍医として兵隊の治療に当たっていた時、細菌感染が原因だと思っていたそうです。
この本にも出てきますが、ある医学博士などは「鰯の頭も信心からだ、糠で脚氣が癒るなら、小便を飮んでも癒る」などと言って否定したそうです。
すでに薬品会社で商品化もされて、効果もあげていたのに認められていなかったというのは、現代にも続く権威主義や閉鎖性の弊害ですね。
ビタミンA、ビタミンDやビタミンCの抽出に成功にも日本人は大きく貢献したそうです。 日本人は本当にすごいですね。
発見の舞台は少し前に話題になった理研だったのですね。
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