うつやひきこもりは、ツァラトゥストラなのか
NHK教育 ETVで『100分 de 名著』という、孔子の『論語』やドラッガーの『マネジメント』などの有名な本を取り上げてあらすじを紹介したり、読み解くヒントについて解説する番組があります。
時々見ていたのですが、8月はニーチェの『ツァラトゥストラ』という本を取り上げていました。
今日の朝、テレビをつけたら最終回をやっていました。
ひきこもりに関する著作で有名な精神科医の斎藤環さんがゲストでした。
あと2回ほど再放送の予定があるので興味のある方は見てください。
うつとひきこもりは別のもので、うつ病は病気で、ひきこもりは状態です。
しかし、メディアがおもしろおかしく取り上げたせいもあって、これらはごちゃごちゃになり、さらにはニートとも一緒に扱われることになりました。
そもそもひきこもりはそういうグループをさす言葉でもありませんが、そうなってしまった以上仕方ないのかもしれません。
斎藤さんは、ひきこもりを山にこもったツァラトゥストラに例えて、さらにはツァラトゥストラのように究極超人になれば山を降りて幸せになれるかもしれない、という考えを披露します。
僕は『ツァラトゥストラ』を読んだことが無いのでわかりませんが、うつ病になったり、そのほかの精神的な疾患をかかえたりして、ひきこもってしまった人は哲学者や求道者なんでしょうか?
というよりも、哲学者や求道者になりたくもないのにそういう状況に置かれて、その上、なり損ねた人間のように感じます。
ツァラトゥストラよりも、魯迅の『阿Q正伝』の阿Qに近くて、さらには阿Qにすらなり損ねた人間だと思います。
いろんな疾患を抱えて悩んでいる人は、半分うつ病になりかけていて本を読むのも辛い人も覆いと思いますが、どちらも読んでみるといいかもしれません。
私も『ツァラトゥストラ』を読もうと思います。
ただ、比喩が多すぎて結局何を言いたいのか普通の人にもわからないらしく、疲労して壊れてしまった頭では相当きつい読み物のような気がしますね。