あれこれ備忘録@はてなブログ

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精神異常者、異常犯罪者は予め特定できるのか?

先日、こんなニュース記事を見つけました。

神経科学者が自分の脳を調べたらサイコパスだったことが発覚

神経科学者のジェームズ・ファロン氏が異常犯罪者の脳に特有のパターンが無いかどうか調べる過程で、そのようなパターンが自分にもあったことを発見してしまった、という話です。

記事にもあるようにこの学者はTEDでも衝撃の事実を公表しています。

講演や本を通して、異常犯罪者の遺伝的な要素や脳の働きについて、人々に広く知ってもらう活動もしていたファロン氏に母親が「あなたもそういう人たちと無関係ではない」ということを突き付けられるのでした。

先祖をさかのぼってみると、父方の7人が殺人者であること。そのうち数人は本などでも取り上げられるほど有名な殺人者だったのです。

そして、脳のパターン的にはファロン氏自身もそういった犯罪者と同じ特徴を持っているということがわかるわけです。

しかし、彼はこれまで大きな犯罪を犯しておらず、家庭的にも社会的にも安定し恵まれた状況にあります。

こういった要素によって、妙な予防的な措置が彼に対して行われていたら彼は今の地位を得ることができたでしょうか?

例えば、中国やアメリカの一部では出生前に遺伝子診断をして、生まれてくる子供に病気がないか、さらにはどのような才能があるかなどなどを調べるという事が行われているそうです。

もし、彼が母親のおなかにいた時代に出生前診断が行われていて、サイコパス診断が先天的異常の一つとして考えられていたら彼は生まれてくる前に中絶処置をされていたかも知れません。

サイコパスに関してはもうひとつ、面白いTEDトークがあります。

社会的に成功している人の中には、サイコパスを調べるテストで高得点を取る、つまりサイコパスと診断されるであろう人がいる、というのです。

その要因の一つは、現代社会がそのような特質を持っている人を望んでいる。あるいはそういう人が有利な状況が現代社会にあるとジョン・ロンスン氏は言います。

人に共感しないこと、弁が立つこと、狡猾に人を操ることなどが徹底的で非情な資本主義社会では有利に働くのです。

サイコパス気質の人間を予め社会の中から炙り出して、予防的に排除していたら、彼らは今の地位にはいないのです。

それどころかこの社会での居場所すら失っていたかも知れません。

先天的・遺伝的な要素によって人の運命を決めてしまってはいけないことがわかります。

しかしながら、彼らが有利で活躍できるようになった世の中が、これまで社会の中で問題なく生きてこられた人たちを窮地に追いやっていることもあるでしょう。

徹底的で非情な資本主義社会、競争社会では彼らが活躍できるかわりに、真面目で物静かな人間は評価されないし、他人を蹴落してのし上がることが求められる世の中では、そのような人たちは傷つけられることも多くなります。

日本でもうつ病が問題になっていますが、うつ病患者増加の背景には、相対的に躁病気質の人が増えたことがあるのではないか、という考えがあるそうです。

突飛な行動を取る人がちょっとハイな人として許されて、場合によっては他の人と違って面白いということで芸能人になり、お茶の間を賑わすということが特にテレビが普及してからずっと続いて来ました。

そして、そういった言動が許されるという社会認識が生まれると、芸能人でない人たちの中にもそのような、昔であれば躁病を疑われるような人が現れる。

そうなると、以前なら物静かという程度の人たちが相対的に、暗い、精神的に落ち込み気味というように評価されたり、自分に疑問を感じたりするようになる。

それが、うつ病を自覚する人が増えている理由ではないか?という考えがあるようです。

ただでさえ、そのような理由でうつ病患者が増えるわけですが、他人を蹴落とすことが許される、むしろ推奨されるような競争社会では、サイコパス気質な人に実際、傷つけられる人も増えるわけで、さらにうつ病やその他の精神疾患を生む要因になっているのではないでしょうか?

精神異常者と正常者の間のグレーゾーンを認めること、以前の正常人をうつ病にしないこと。

適正なバランスはどこにあるんでしょうね。

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