NHK時論・公論でアイスランドの地熱発電を紹介。これは環境破壊では?
地熱発電の先進国の1つであるアイスランドを紹介して、日本でもできることがないかを考える番組でした。
しかし、地熱発電所が熱水をそのまま垂れ流し、それが世界最大の露天風呂になって雇用が増えたとか、熱水に含まれる泥が肌に良い(当然、その露天風呂にも泥が堆積している)ので化粧品として売ることで特産品ができた、というのは真似をしてもいいものでしょうか?
人間にとって都合のいいものがそれ以前になかったからと言っても、そこには何らかの生態系があったはずで、熱水や泥でその環境を変えてしまったらそれは環境破壊以外の何物でもないのでは無いのではないでしょうか?
番組でもそれは理解していて、温水をきちんとパイプで運び、隔離された状態で風呂として施設で利用するとか、同じくパイプで衣類を乾燥する部屋や居住空間の暖房として利用する方法が日本でもすでに行われていることを紹介していました。
それらもすでに温泉や温泉が一般家庭でも使われている地域であって、熱水がある程度まで温度が下がれば排水できる地域でのことです。
それまでそうではなかった地域で熱水や温度が下がっても温水が垂れ流されるようであれば、それが環境へ及ぼす影響は小さくないはずです。
使われた熱水は再び地下へ戻す試みが行われている今の日本のやり方は正しいと思います。
そういった部分についてきちんと説明せず、わかりやすい構図での再生エネルギーの明るい未来を語るのはちょっと問題ではないでしょうか?
最近、NHKで気になるのは、右によったとかいうことよりも、いろんな問題を単純化して語りすぎるところです。
わかりやすい善悪を語ろうとすれば、わかりやすい結論を作ろうとしますし、わかりやすい絵(テレビのシーン)を作ろうともするでしょう。
今、問題になっている出家詐欺のやらせ問題の背景にこういったことが関係しているのかも知れません。