プロゴルファー猿という不思議なアニメ
AbemaTVを開局初日に試しに見たのがきっかけでプロゴルファー猿を見ている。
猿谷 猿丸(さるたに さるまる)という主人公の男がプロゴルファー猿である。
プロとは言いながら、ゴルフ場の敷地内に無断で兄弟と侵入してはロストボールを拾い集めて金に換えたり、客の男と賭けゴルフをしているのだ。
猿は「賞金」と言っているが、双方、お金を出して、買ったほうが総取りするという方式の立派な賭けである。
ゴルフがオリンピックの競技に選ばれたが、違法カジノに行っていたバドミントンの選手同様、猿もオリンピックには出られない男なのである。
無断侵入を母親は「しょうがないねぇ」の一言ですませてしまう。
アニメではラジウム鉱泉入りのミネラル・ウォーターだが、原作では一升瓶の酒を飲んでいる4男の末っ子小丸を許しているのだから、そのくらいは許してしまうのである。
無断侵入に関してはカントリークラブのオーナーの御曹司である天才ゴルフ少年との勝負に勝って、無罪放免になるが、賭けゴルフは許されない。
そんなところへ同じカントリークラブに入り浸っている覆面の男ミスターXに、彼が囲っているというゴルファーと勝負するよう誘われる。
またも償金100万で双方50万円ずつ出し合う方式だ。
猿は50万円の大金を持っていないというと、ミスターXは「ならば猿くんは50万円払わなくても良い。ただし負けたら私の影の組織に入るのだ」と言われる。
しかし、ここで何故かこのゴルフ場で知り合い賭けゴルフをした仲の"おっちゃん"に50万円を借りてしまう。
追記
作品中では猿と、このおっちゃんだけが関西弁である。
AbemaTVを見ている人たちはドラゴン打ちの竜の顔が猿に似ているとか、ミスターXが実の父親だという話をしながら楽しんでいる。
猿とおっちゃんだけが関西弁。
秘密はここにある、と個人的には思っている。
実はドラゴンは、成長した猿自身で、過去に戻って自分と戦っている説も浮上している。
見たことがないが『シュタインズ・ゲート』の世界である。
最近見た映画では、『プリディスティネーション』もそういう話だ。
この時点で負けても影の組織に入る必要はないので何の緊張感も無くなってしまったのだが、何言もなかったかのように話は続く。
この商品画像の左上の男がミスターXである。
(なんとWiiのゲームも出ている。
新しいファン層はいるのだろうか?)
そもそもミスターXという覆面男が主催している影の組織は何をやっているところなのか?
最初の対戦相手コング・拳が長いティーの上のゴルフボールを野球のバットで打つというルール無視のプレイを行う以外は特に悪い事はしていないようである。
少なくとも序番を見る限りではそうだ。
ルール無視がいけないというならば、コング・拳との飛距離を競う対決で、鎖の先に重い岩がついているハンマー投げのハンマーみたいなものでボールを打って勝利した猿はすでに影の組織の一員である。
賭けゴルフは猿のためにやっているので、ミスターX側の方がクリーンかもしれない。
最初から最後まで何がなんだかよくわからないがたんたんと話は進む。
それでもなぜだか面白い。
昔のアニメはそういう魅せる要素がある。
描き方も巧みである。
ショットを打つ様子を最初から最後まで描くことをしない。
多分、うまく描けないからだろう。
どうしても不格好な絵にショットの一連の動きの何処かでなってしまうのだと思う。
だから、まず、構えるところでは腕を写す形で腕の筋肉を引き締めさせて力を溜める様子を描く。
振りかぶった部分は胸から上で頭までの大写し。
スイング部分はクラブのみを描き、最後のボールにヒットさせるところで全身を描いている。
とてもうまいと思う。
追記
あとの話になるとショットのすべての動作を全身が映るカットで描いている。
描き手が研究をして描けるようになったのだろう。
最近のアニメだとこれをしないで普通に全身を描いたりするのでおかしなシーンになったりする。
アニメだけでなく映画やドラマでも1カットでかなり長いシーンを描いたりする。
格闘シーンがグダグダになったりするのにはこういうところにも原因があるのではないか?
話が脱線した。
疑問点がたくさんあるが、おもしろいし、ディンプルというゴルフボールのキャラクターがゴルフのルールなどを説明してくれるのでゴルフの初心者はためになるかも知れない。
もうすぐ放送(配信)開始なので見てみると良いだろう。
AbemaTVへGOである。
ただ、残念なのは時間の関係からか権利の関係からかAbemaTVはオープニングテーマ・エンディングテーマが聞ける番組とそうでない番組とがある。
プロゴルファー猿も聞けないようだ。
ここで視聴できる「夢を勝ちとろう」がオープニングテーマである。