フジテレビ『バイキング』の3Dプリンタ副業の話
先日、テレビで意外に簡単で稼げる副業が紹介されていました。
その中で数十万稼げることもあるとされたのが3Dプリンタで作ったクッキーの型の販売です。
その方はIT関係に務める傍らその副業もしているということで、CADや3D CG編集ソフトを使うことができる人だというのが前提です。
自宅の仕事場も一人でしているにしてはなかなか広く3Dプリンタも複数台あったと思います。
素人にはなかなか出来ないとは思います。
素人ができるかどうかは置いておいて、それ以外の点でもかなり危ういものだと思いました。
本体は10万円以下でも買えるということがわかります。
問題はそこにセットして使う樹脂です。
3Dプリンタ- 専用 フィラメント (ABS樹脂) 【ブラウン】
ABS樹脂です。
調べてみるとABS樹脂自体の食器はあるようです。
【ランキング入賞】 軽くて落としても割れにくいPET ABS樹脂の食器 ボルダーボウルS /Sサイズ/スープボウル/プレート/軽量/エコ/アウトドア/キャンプ/ボルダー【楽ギフ_包装】
ただ、これは耐熱ABS樹脂のようですね。
あとは見るとわかりますが当然、表面に何らかのコーティングが施されています。
こちらのサイトを見ると漆器の下地として使われていることがわかります。
その形の土台になっているだけで口が触れるところにはやはり何らかのコーティングがされているようです。
耐熱性のないABS樹脂にはこういったトラブルもあるようです。
熱で溶けてしまうという話です。
そもそも3Dプリンタはこういった樹脂を熱で溶かしたものを層状に積み上げて成形するものです。
上の記事は3Dプリンタで成形している過程で出るものが人体に影響を与えるかも知れないというものですが、記事の終わりあたりにあるように熱が加わった際にできるものが人体に有毒であるという研究結果があるそうで、お湯を注ぐなどして使う場合にそれが出る可能性もあります。
Is 3D Printing Always a Safe Activity?
最近、あまり聞かなくなりました環境ホルモンのうちの1つがビスフェノールAで、食品安全委員会でも取り上げられているようです。
食器などのプラスチック製品に含まれるビスフェノールAについて(Q&A)
PDFです。
現在でもセミナーが行われていることから危険性が否定されたわけでは無さそうです。
食品安全委員会セミナー「ビスフェノールAに関する国際セミナー」の開催のお知らせと参加者募集について
クッキーの生地の型ですから、熱いものに触れさせるわけではないのですが、厳密には食器として販売するのはグレーでグレーだろうと思います。
そもそもクッキーの型抜きとして販売されているもの多くは金属です。
型抜きのときの強度という意味もあるでしょうが、こびりついた生地を洗う場合に表面が傷つくことが無いようにという意味もあるのではないでしょうか?
3Dプリンタというと銃が作れるなどといった危険性ばかり指摘されますが、食器として使われる可能性や何でも口に入れてしまう小さい子供のおもちゃなどとして使われることの危険性の方がはるかに影響を及ぼす範囲の大きなものだと思います。
すぐにでも何らかの形で注意喚起がなされるべきではないでしょうか?