あれこれ備忘録@はてなブログ

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ETV特集「トラウマからの開放」

http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/0914.html

第1次世界大戦以降、その存在が認知されたトラウマ、そしてPTSD

うつ病やその他の精神疾患、依存症などの背景に、それ以前に負った心の傷が関係していることは以前から指摘されてきたが、従来の治療法では治りにくい人たちに対してそのトラウマに注目した治療が効果を上げているそうです。

トラウマに注目し、過去の心の傷を癒す治療が注目されて来なかった理由のひとつには、戦争や犯罪などに巻き込まれた人に対して、家庭内暴力やレイプ被害など日常生活で心の傷を負った人たちを同列に置いて扱うことに対して懐疑的な考えがあったからだと言われているようです。

しかし、負った心の傷に対して起こす反応、症状は同じであるし、実際、同じアプローチでの治療が効果を上げていることで、一般的な精神疾患に対してもトラウマ治療が用いられるようになっていったということのようです。

トラウマ体験を持つ人は、右脳のうち本能的な活動に関わる脳の領域「サバイバル脳」が活発に働き、左脳の理性的な活動を抑えてしまうのだそうです。

EMDRというトラウマ体験を思い出しながら眼球を左右に素早く動かす治療法はNHKでは過去にも発達障害を背景にしたうつ病の治療の番組などで紹介しています。

アメリカでは、虐待や育児放棄を背景にして問題行動を頻繁に起こす子供たちに対してトラウマ治療を行い効果を上げているそうです。

日本でも男性の声を聞くと気分が悪くなり、仕事にも支障が出ていた女性がトラウマ治療を行うことで症状が改善して行きました。

親戚の男性の怒鳴り声を聞いて固まってしまった過去を持つことがトラウマとなっていると思われていたが、さらにその背景に幼い頃に親戚の男の子に性的な被害を受けていたことがわかります。

女性はそれぞれのトラウマを複数のアタマの中の人物に分担させており、いわゆる多重人格の症状を持っていました。

それらの人格それぞれに対してEMDRを中心としたトラウマ治療を行うことでこの女性は少しづつ良くなったようです。

日本ではEMDRを行える病院・クリニックは本当に少ないということです。

認知行動療法やもっと一般的な精神療法すら行えない病院がほとんどですから仕方が無いですね。

多くの病院では診察時に普段の生活状況を聞いて、薬を処方するというタイプの治療しかしてもらえません。

早く地方でも都市圏と同じ水準の治療が出来るようになるといいと思います。