iPhone Xを買う気を無くし、Firefox Quantumに歓喜する人達がショックをうけること
iPhone X、売上の10%は「サムスンの収入」 2年間で1.6兆円増収へ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
iPhone Xのディスプレイに使われている有機ELはサムスン製で、Galaxyの新機種が仮にiPhone Xより売れなくてもサムスンには相当な額の利益が入るという話だ。
この記事はYahoo!ニュースにもあって、そこのコメント(ヤフコメ)では、ディスプレイが韓国製だということを知って買う気がなくなったというものが結構あるようだ。
Appleでは、代替の供給元としてLG電子を検討しているらしいが、ここも韓国の企業なので状況は変わらない。
ところで韓国製の技術が使われていて、買う気や使う気が無くなったという人達に残念なお知らせがある。
Mozilla と Samsung は次世代 Web ブラウザエンジンの共同開発を進めています | Mozilla Japan ブログ
FirefoxのレンダリングエンジンであるGeckoに変わる次世代のレンダリングエンジンであり、先日、リリースされ爆速だと評判になっているFirefox Quantumにもその技術が取り入れられている「Servo」は、MozillaとSamsungの共同開発だ。
もう一度、言おう。
Firefox Quantumを爆速にした技術は、Mozillaとサムスンの共同開発の成果である。
韓国製と言うだけで買う気や使う気を無くする人達は、Firefoxを投げ捨てるのだろうか・・・?
Firefox Quantumで取り入れられたServoの技術はCSSの処理部分が主のようだが、Servo自体はレンダリングエンジン全体なので、HTMLパーサーやWebページのレンダリングも含んでいる。
追記
Firefox 53からすでに成果は取り込まれているらしい。
「Firefox 53」がリリース、次世代ブラウザエンジンQuantumの成果を導入 | OSDN Magazine
追記終わり
Mozillaなどが支援するRust製新ブラウザー「Servo」にWindows向けナイトリー版が登場 - 窓の杜
今年の4月に、Windows向けのビルドイメージが公開されている。
Servo Developer Preview Downloads
現在では、Windows版の他、MacOS版、Linux版のバイナリイメージも公開されている。
Android版はもうすぐ公開されるとのことだ。
追記
MozillaのServoブラウザ、nightlyビルド公開
追記終わり
あくまでもWebページを表示を試してみる程度のものらしい。
Linux版をダウンロードして試してみた。
ダウンロードページにある説明通り、解凍してservoディレクトリへ移動し
./servo
を実行した。
すると、真っ白のウィンドウが現れた。
ものすごく待ったらようやくブラウザっぽい表示が現れた。
右上のハンバーガーメニュー(「三」みたいなアイコン)は、タブを増やしたり、タブを移動するためだけの機能しかないらしい。
アドレスバーに直接、yahoo.co.jpと入れてみようと思ったが、検索用のテキストボックスしかない。
検索窓に「yahoo japan」と入れてエンターを押してみると、DuckDuckGoの検索ページが出た。
上の「yahoo japan at DuckDuckGo」というところをクリックするとアドレスバーが現れ、URLが表示される。
これを見て、最初のページでも上の部分をクリックすればURLを直接入力できるかと思い、「+」ボタンを押して新しいタブを表示させたら、メニューを押しても何も表示されなくなった・・・。
どうもタブを追加するとほとんど動かなくなるみたいだ・・・。
仕方がないので、一度終了させて再起動する。
次はほとんど待たずに最初のページが表示された。
初回起動はどこかにプロファイル的なものを作っているのだろう。
改めて開き直したが、やはり最初は検索窓からしか移動できないらしい。
DuckDuckGoでYahoo! Japanを検索し、サイトへ移動してみる。
決して速くは無く、左と中央が表示されたあと、遅れて右のカラムが表示される感じではあるが、問題なく表示されている様だ。
「トピックス一覧」をクリックしたら、表示途中で動かなくなってしまった・・・。
閉じるボタンで終了もできなくなったので強制終了。
まだまだ不安定らしい。
テストはこれくらいにする。
将来的には、Firefoxはレンダリングエンジン全体をGeckoからServoに置き換えるはずだ。
上で紹介した記事にあるようにServoのAndroidへの移植を中心的に行っているのはSamsungである。
Firefox Quantum以降のFirefoxを使う者、とりわけAndroid版を使う者はこれを受け入れなければならないのだ。
Chromeを速度や使い易さ以外の理由、Google独占だとかBrowser IDのような個人を特定し情報を収集することを懸念して、Firefoxなど他のブラウザを使うという人は少なくないと思う。
そのようなある種の政治的背景でブラウザを選ぶことが認められるなら、韓国製が嫌いという正に政治的な背景でブラウザを選ぶこともアリだろう。
アドオンが使えないという理由で、Firefox Quantumリリースをきっかけに、Pale Moonに乗り換える人が出て来たが、Pale Moonをはじめとする代替ブラウザへ乗り換える理由が一つ増えたかも知れない。
蛇足
直接、関係ないがPale Moonの話題を出したときにPale MoonのレンダリングエンジンであるGoannaのWikipediaを見てみた。
Blink搭載ブラウザのように大量にメモリを浪費[4]することは全くない。
という記述の根拠となっているのが、以下の2つの記事である。
ChromeのAdBlockをメモリ消費量が少なく軽量なμBlockに切り替えた - 以下省略!
Adblockよりもはるかに軽い広告除去ツール「µBlock」を使ってみました - GIGAZINE
たしかに同じアドオンを使っていてもFirefoxよりもChromeの方がメモリ消費量は大きいと思うが、アドオンを根拠にレンダリングエンジンのメモリ消費の話をするのはおかしい。
Wikipediaはマイナーなものについてのチェックはかなり緩いと思う。
しかも以前、記事に書いたように安易にIPで広域ブロックするので、ある地域やそれに関係する情報をそこに住んでいる人達が書けないという状況を作っている。
そのうえ、そのきっかけとなった荒らし的行為があってから、何年も経っているにもかかわらず、まったくその基準の見直しをしない。
語句の意味や情報を調べるのにも、引用にも使うので、Wikipediaは重要で、無くなることは無いと思うが、Wikiの強みや内容の充実、透明性や公開性という意味では、Wikipadiaは半分終わっていると思う。
寄付なんか集める前に、ブロックの見直しくらいはしてほしいところだ。