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石器時代のセックス 現生人類はネアンデルタール人、デニソワ人とホモ・サピエンスとの混血だった

石器時代のセックス|番組紹介|ナショナル ジオグラフィック (TV)

以前はホモ・サピエンスネアンデルタール人とは別々に生息しており、争うことはあったかも知れないが、共生したり、文字通り交わることは無いと思われていた。

シベリアのデニソワ洞窟で小指の先の骨が見つかったことでこれまでの考えは修正されることになった。

マックス・プランク研究所でのDNA分析の結果、それがこれまで見つかっていない新種であると判明したからだ。

ネアンデルタール人はドイツのネアンデルタールで発見されたことからその名がついたので、この新種の人類はデニソワ人と命名された。

軟骨の組織から、見つかったデニソワ人は子供のものであるとわかった。

デニソワ人が見つかった洞窟から現生人類と同じような装飾品が見つかり、デニソワ人と現生人類は時代は異なるかも知れないが、同じ場所で生活していた可能性も出てきた。

ネアンデルタール人は20万年近く繁栄し、ヨーロッパ、中東、シベリアに分布していた。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/39/Skeleton_and_restoration_model_of_Neanderthal_La_Ferrassie_1.jpg/480px-Skeleton_and_restoration_model_of_Neanderthal_La_Ferrassie_1.jpg

ホモ・サピエンスネアンデルタール人とほぼ同じ時代にアフリカに現れ、そこから各地に広まり、シベリアまで生息域を広げた。

そして、デニソワ人もシベリアにいた事がわかった。

3万年前、ネアンデルタール人ホモ・サピエンス、そしてデニソワ人が生活していた地域や時代が重なっていた可能性があるのだ。

近年、ネアンデルタール人のDNAを解析した結果、アフリカ以外の現生人類の遺伝子の一部はネアンデルタール人由来のものであることがわかった。

アフリカ以外の、というところが興味深い。

つまり、アフリカを出て、他の土地に移住する過程で、現生人類はネアンデルタール人と交配したのである。

アフリカ以外の現生人類はネアンデルタール人との交雑種なのである。

デニソワ人はネアンデルタール人と交配し、その子孫と現生人類がさらに交配して現在の人類の共通の祖先となった可能性がある。

全世界の人類の遺伝情報からその痕跡を探るとデニソワ人由来のDNAを持っていると思われるグループが見つかった。

シベリアとは随分と離れた、オーストラリアの北にあるパプアニューギニアブーゲンビル島(この地域はメラネシアという)に住む人々だ。

白人が持つイメージが強い金髪の黒人がいるのもこの地域だ。

news.biglobe.ne.jp

一方、ノボシビルスクの保管庫で眠っていた、分類不能だった奥歯の化石がDNA解析の結果、デニソワ人であることが判明した。

デニソワ人の痕跡がシベリアメラネシアに見られるが、その間にはミッシングリンクがある。

シベリアメラネシアの間には中国大陸が横たわっており、そこにデニソワ人と関係がある人骨があるかも知れない。

研究者たちは中国へ飛んだ。

中国には分類不可能な人骨が幾つかあったが、骨の状態が悪くDNA鑑定はできそうになかった。

また、ノボシビルスクで見つかった歯の模型を頭蓋骨と比べてみたが、デニソワ人の歯はとても大きく、中国にある頭蓋骨とは合わなかった。

中国ではミッシングリンクを埋める発見は無く、謎は残ることとなった。


番組ではこのあたりで調査は終わったがその後、色々と新しい発見があったようだ。

www.nikkei.com

gigazine.net

現世人類と、ネアンデルタール人、デニソワ人との関係

ネアンデルタール人やデニソワ人由来のDNAによって、うつ病を発症したり、薬物依存になる性質を受け継いだというのはなんとも皮肉だと思う。

しかし、同時に免疫力が強くなったり、チベットのような高地で生きられるようになったのも交雑のおかげらしい。

ネアンデルタール人やデニソワ人由来のDNAを持つ現生人類ばかりでなく、ホモ・サピエンス由来のDNAを持ったネアンデルタール人も一時期、生息していたというのはとてもおもしろいと思った。

これまで別々に生き、ネアンデルタール人などの旧人類は生存競争に負け、ホモ・サピエンスだけが残ったというシンプルなストーリーではなく、互いに交わり、複雑に入り組んで進化した結果の我々なのだということがわかりつつある。