映画『犬神家の一族』を見ている
もう3回くらい見ている。
リメイクされたものも2回くらい見ている。
おもしろい。
石坂浩二が若い。
坂口良子がかわいい。
ヒロインの野々宮珠世役の島田陽子よりもよほど綺麗。
何年か前に若くして亡くなってとても残念。
寺田稔のイメージが今と全然違う。
一代で財を築いた犬神佐兵衛が死に、その莫大な財産と三種の家宝"斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)"の相続を巡って、この家宝に見立てた殺人が行われる。
犬神佐清(いぬがみ すけきよ)がさかさまになって、湖から足だけ出しているシーンが有名だが、その理由を知らない人は多いかも知れない。
「斧(よき)」に見立てた殺人を行うために「きよ」をさかさまにして「よき」にした。
少なくとも原作ではそうである。
映画では実際に斧を使って殺害した。
映画での変更点は悪いところばかりではなくて、犬神家の家業が生糸製糸ではなく製薬会社になっていて、戦前から戦後しばらくにかけての覚せい剤や麻薬と絡めた、犬神家の業や罪の深さが際立たせた話になっている。
そのようなものが無くても男色、不倫、多数の妾と腹違いの姉妹やその子供など入り組んだ人間関係で十分に人間の業というものが表されている。
市川崑のミステリー作品はもう一つ見たことがある。
どちらも今見ても全然古さを感じない。
見る機会があったら是非とも見るべき作品。