あれこれ備忘録@はてなブログ

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南極料理人と拘禁反応(拘禁症状)

映画「南極料理人」を見ました。 様々な経緯で南極のふじドーム基地(よく知られている沿岸部にあるのは昭和基地らしい)に派遣された人々が1年以上もの間、基地と一面銀世界の中で生活する中で起こる悲喜こもごもを描いた作品でした。 原作もあります。 NHKためしてガッテン」でやっていた重曹即席麺を茹でるというアイディアはこの南極料理人のエピソードと一緒に紹介されていました。 映画を見て感じたのは、拘禁反応というのは本当に狭い、隔絶された空間に閉じ込められたためなのか?という疑問です。 映画の中でも複数の隊員が仕事を投げ出して部屋や車に篭ったり、会えない恋人から別れを告げられて交換局の女性をナンパし始めたりしていました。 同じ空間に長い間いることによって拘禁症状が起きると思ってきましたが、どちらかというと会いたい人に会えなかったり、会いたくないかどうかに関りなく同じ面々と交流し続けなければいけなかったりすること、そしてそこから逃れられないということによって拘禁反応は起きているのではないか?と感じました。 親子間でも濃密な人間関係が続く場合、関係が険悪になるということはあります。 多くの場合は進学や就職で居を別に構えれば、適度な距離感が出来て落ち着いてくるでしょうが、場合によってはそれまでの経緯で関係が改善されないままということもあるでしょう。 ましてや他人同士が毎日、顔を合わせ、自室以外ではそれらの人たちに知られること無く行動することができないとなれば、精神的には随分とストレスを感じるのではないでしょうか? プライペートとは自分の部屋や自宅ばかりでなく、学校、会社以外の空間でも保証されるべきものなんでしょう。 また、狭い空間にいるからといって必ずしも拘禁反応は起きるものではないのじゃないかなという気もしました。 引きこもりの人は外で自分の居場所の無さを感じ、居場所のない、自分が拒否される状況が避けられないことによって精神的に追い詰められて、引きこもってしまうわけです。 引きこもって、家や部屋に閉じこもることでかえって精神的な安定が取り戻されるのです。 孤独になることで失われるものがあることも間違いないでしょうが、引きこもりの人にとってはそれよりも逃げられないことで失われるもののほうが大きかったわけです。 拘禁反応 拘禁反応を起こす対象として挙げられている囚人達も死刑囚でなければほとんどの場合、雑居房にいるはずで、狭い部屋に一人で閉じ込められているわけではないのです。 そうした人たちにも拘禁反応が起きるということは、やはり狭い部屋でたった一人でいることによって起きるとは言えないんでしょうね。 もうちょっと解釈を広げれば、田舎にいる息苦しさや学校、会社内での濃密な関係から起こる精神的な疾患というのは一種の拘禁反応ではないのでしょうか? ゲマインシャフトというものが生み出すのは緩い拘禁状態のような気がします。