安吾巷談 天光光女史の場合
青空文庫で安吾巷談をいくつか読んだのですがおもしろいですね。
この天光光と言う人、最初に文の中に登場したとの目にしたときには中国人かと思ってしまいました。
まだご存命だそうです。
読み方も「てんこうこう」でそのままです。
随分とすごい名前をつけられたものです。
最近では他と違う名前をつけられることも珍しく有りませんが、 ネットで情報を入力する事が多くなった現代では、目立つ名前をつけると何かの拍子にすぐに個人が特定できてしまいます。
田中公一なんかだといくらでも居そうですからそうそうバレないでしょうが、園田天光光なんて一瞬にして誰か分かってしまいますね。
最近だと鈴木一郎だと返って珍しくて特定しやすそうな気もしますが。
これから親になる人は注意してほしいものです。 安吾巷談、
エッセイですが社会風刺や政治批判があってなかなか過激です。
戦後の日本水連が記録の非公認なのを逆手にとった乱発される世界新記録や、天光光事件での新聞のヤラセ的な体質、麻薬の依存性の話など多種多様な話題が出てきます。
考えてみると第二次世界大戦の前後あたりに覚醒剤ってできたんでしたっけ?
坂口安吾自身も別の覚醒剤を飲んで仕事をし、それが一段落すると今度は睡眠薬を使って寝てみたりしてます。
これが効きやすい、これは気分が悪くなる、この使い方では依存する、使う間隔をあけると云々とまるで「人格改造マニュアル」みたいなことを書いてます。
昔よりも仕事が激烈だったりするのに、この当時のように薬が使えないのは不公平のような気もしなくはないですが、芸能人が薬を使って人を殺したり、都心では薬が植え込みに隠されているのをボランティアが掘り出して撤去してみたり、医療関係者が薬を乱用してみたりしている、今の世の中で解禁したら乱用する事は明らかですからね。
絶対無理ですね。
坂口安吾も医者か薬局で処方された薬を使って、きちんとルールを定めて使っているわけですが、自分にルールを作ることもすでに決められているルールを守ることも難しい人たちには無理でしょう。
合法的にできる対処法は催眠くらいじゃないでしょうか?
読むのが早い人なら、すぐに全部読み終えられると思います。
安吾巷談おもしろいですよ。